
バッティングをしているとき、自分が思い描いているタイミングと微妙なズレがでると、なかなかいい打球が飛ばず悩みますよね。
タイミングが合わない原因はいくつもありますが、原因を取り除くことができれば、しっかりタイミングが合わせられるようになります。
この記事では、
- バッティング時にタイミングが合わない原因
- バッティング時のタイミングの取り方を改善する4つの方法
などを解説します。
今回の記事の内容
バッティング時にタイミングが合わない原因
バッティング時にタイミングが合わない原因は、以下のようなことが考えられます。
- 一生懸命ボールを見すぎ
- 目が慣れていない
- 足元の環境が悪い
- タイミングの取り方を練習していない
- マシンとの相性が悪い
それぞれ解説しますね。
一生懸命ボールを見すぎ
まず考えられることは、「ボールを一生懸命見ようとしすぎている」ということです。
ボールを意識的に見ようとすると、筋肉がグッと力んでしまいますが、以下の2つの動作を比べてもらうとよくわかると思います。
- 目を見開いて、1点をみながら頭を左右に速く動かす
- ボーっと正面を見たまま、頭を左右に速く動かす
おそらく前者の方が頭を動かしづらく、首周りが力んでいることがわかると思います。
このように、一生懸命ボールを見てしまうと筋肉が力み、バッティング動作の始動が若干遅れます。
そうするとタイミングがズレてしまい、自分が思っているポイントと合わないということが起こってしまうんですね。
目が慣れていない
次の原因は「ハンドーアイ」で、ハンドーアイとは、動体視力のことです。
例えば、自分の中では120km/hの球速が丁度いいぐらいに打てる感覚があるけど、周りが130km/で打っているから130km/hで打ってみるとします。
このとき、目が慣れていないためにタイミングが上手くとれないということが起こるんですね。これは後程詳しく解説しますが、
タイミングを合わせるためには、動体視力を考慮して、徐々に球速を上げていくことが重要
になります。
いきなり球速を上げ過ぎると、タイミングが全く合わず全体のバランスを崩してしまう可能性もあります。
このように、タイミングが合わない原因の1つに動体視力の問題も考えられます。
足元の環境が悪い
これもよく現場であることですが、 「足元の環境」というのはいろんな意味合いがあります。
- 軸足に体重を乗せたとき、うまく立てていない
- 体重を乗せる足の位置がまずい
- 地面がボコボコで安定して立てない
- 足元に意識を向けすぎて、足首が緊張している
これらすべてに共通することは、
軸足に体重を乗せたとき、足裏全体で安定して立てていない
ということです。
本来適切に立てると、足裏はこのような状態になるはずです。
ただ、足元が不安定になっている選手の場合、以下のような状態になることがあります。
このように、軸足に体重を乗せたときにバランスよく立てていないと、自分の思ったタイミングでインパクトを迎えられず手打ち状態になります。
特にタイミングが遅いと感じる選手は、足元がグラつき不安定になっていることが多いですね。
こういった足元の環境の悪さも、タイミングがうまくとれないことに関係しています。
タイミングの取り方を練習していない
野球選手の中には、器用にいろんな球種に対してタイミングを合わせられる選手もいます。
ただ、うまくタイミングが合わせられない選手の場合、タイミングの取り方を練習しておく必要があるんですね。
別の言い方をすれば、
いろんなタイミングの取り方を身体に経験させておく
ことが重要です。
1・2のタイミングだけでスイングをしていれば、それ以外のタイミングが来たときにどうしてもうまく合わせられません。
このように、さまざまなタイミングのとり方を練習していない場合も、バッティング時にタイミングが合わない可能性があります。
マシンと相性が悪い
もう1つの問題は、僕がトレーナーとして学んでいく中で先生から教わったことですが、野球選手の中に、
マシンでバッティングをしたとき、マシンに対してタイミングを合わせるのが苦手な選手がいる
ということです。
実際現場で選手を見ていると、投手ではタイミングに問題がないのに、マシンでバッティングをすると全くタイミングが合わない選手もいました。
こういったマシンとの相性が悪くてタイミングが合わないこともあるので、これはぜひ覚えておいてほしいなと思います。
では、こういった原因でタイミングが合わない場合、どうすればタイミングを合わせられるようになるのでしょうか?
バッティング時のタイミングの取り方を改善する方法①:足元の環境を整える
まず行ってほしいことは、足元の環境を整えることです。
ポイントは、
- 足場を平らにならす
- フラット着地を理解し、踝の真下に体重を乗せる
- 軸足で適切に立てるようにバランス能力を向上させる
こういった手順で、軸足で適切に立てるようにしていきます。
この足元の環境や体重支持ポイントなどの考え方は、「野球の打ち方やバッティングのコツをトレーナーが4ステップで解説」でまとめているので、こちらをご覧ください。
また、野球選手に必要なバランストレーニングについては「トレーナーが伝える野球選手におすすめしたい3つのバランストレーニングとは」で解説しているのでこちらも合わせてどうぞ。
バッティング時のタイミングの取り方を改善する方法②:ハンド-アイ
次は、目の問題について改善していきます。
適当に見るボールを見る
バッターバックスから投手などを見るとき、一点をグッと見つめるよりも、なんとなくボーっと全体の風景を見るようにします。
そうすると筋肉もリラックスでき、筋肉の力みによって始動が遅れることを防げ、タイミングをとりやすくなります。
ですので、バッターボックスからは、
リラックスして、ある意味適当に投手を見る
ようにして、タイミングをはかっていきます。
徐々に球速を上げる
そして、バッティングをするときに気をつけたいことは、
徐々に球速を上げ、自分のフォームが崩れない球速で打つ
ということです。
ここについては、以下の記事で詳しく解説しています。
タイミングが合わない球速が課題になる
こうやって球速を上げていく過程で、例えば125km/hでは打てるけど、130km/hだとタイミングが合わず打てないとします。
この選手の場合は、130km/hが現在の課題点となるため、125~130km/h辺りの球速で日頃バッティング練習をするようにします。
そうすると、いずれか130km/hもスムーズに打てるようになるんですね。
ただ、気をつけないといけないことは、
いきなり140km/h以上の球速で打ってしまう
ということです。基本的には、打てると思います。ただ、ステップアップしていない中で打ってしまうと、
- 手打ちになる
- 合わせたようなバッティングしかできない
- タイミングが合っていない
などが起こり、誤魔化しただけのバッティングになってしまいます。
タイミングもそうですが、バッティングを向上させる上で大切ことは、
- 適切にできた
- 適切にできた
- 適切にできた…
この感覚を積み重ねて、レベルアップしていくこと。こういった積み重ねができると、タイミングをとるのもうまくなりますし、バッティングも変わってくると思います。
バッティング技術を向上させるためにはコーディネ―ションの理解も重要で、詳しいことは「コーディネーション・コオーディネーショントレーニングの意味と実践方法」で解説しています。
バッティング時のタイミングの取り方を改善する方法③:いくつものパターンを経験する
ここからお伝えすることは、最もタイミングを合わせやすくなる方法なので、ぜひ日頃の練習に取り入れてみてください。
人間の身体は、
いろんなパターンのタイミングの取り方を経験しておくと、タイミングの取り方がうまくなる
んですね。
ですので、素振りなどでいろんなパターンのタイミングの取り方を経験するようにします。
1→スイング
1→2→スイング
1→2→3→スイング
1→グー→スイング
これらは一例で、こういったイメージでさまざまなタイミングの取り方を体感します。
自分でいくつものパターンをつくって経験しておくと、咄嗟にそのタイミングで打てるようになります。
バッティング時のタイミングの取り方を改善する方法④:投手でバッティングをする
マシンでバッティングをするとどうしてもタイミングが合わない方は、投手に投げてもらってバッティングをすることをおすすめします。
チーム練習としては致し方ない部分もありますが、マシンでタイミングが合わない選手は、それを続けていてもフォームを崩すだけです。
どうしてもタイミングが合わせられない選手もいるので、そういう場合は人に投げてもらって練習するのが解決策です。
こういったパターンも存在するので、ぜひ覚えておいてくださいね。
今回は、バッティング時にタイミングが合わない原因と4つの改善方法を解説しました。
今回の記事のまとめ
- タイミングが合わない原因は、一生懸命ボールを見すぎ
- その他には、足元の環境が悪い、タイミングの取り方の練習をしていないなどがある
- タイミングをうまくとるためには、まず足元の環境を整えること
- さらに、球速を徐々に上げてバッティングを行う
- さまざまなパターンのタイミングの取り方を経験すること
- マシンが苦手な選手は、投手に投げてもらってバッティングを行う
今回の内容が少しでも野球選手の参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
その他にもバッティングの参考になる記事を貼っておくので、こちらも参考にどうぞ。
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