野球選手に走り込みは必要?本当のメリットや4つの方法を解説


 

著者:伊藤 出パーソナルトレーナー / IDEALSTYLE代表

パーソナルトレーナー歴11年|元三笠宮寛仁親王殿下のパーソナルトレーナーであった魚住廣信名誉教授に師事|指導経歴:宝塚歌劇団員・三菱重工神戸野球部員・ボクシングミニマム級1位など|アスリートフードマイスター&元板前。

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野球選手に走り込みは必要か?と議論されることもありますが、これは目的によって変わります。

完全に不要ということでもありませんが、「走り込めば問題は解決する」といった安易な考えで実施するのであれば、不要かもしれません。

この記事では、

  • 野球選手が行う走り込みの必要性
  • 走り込みで得られる効果や具体的な方法

などを解説します。

 

野球選手が行う走り込みの必要性とは?

先ほども触れた通り、結論としては、

野球選手が行う走り込みは、目的によって必要性が変わる

と思います。

走り込みの目的の整理が最重要

語弊を恐れず言えば、

一般的に行われているような走り込みは、野球選手には不要

です。

がむしゃらに走ったり、ポール間を走ってもパフォーマンス向上にはつながりません。ただ、目的を整理した上で行う走り込みは必要になります。

例えば、

投手のスタミナをつける

という目的で走り込みをさせようと思う場合、そもそも「投手が必要とするスタミナ」とはどんなスタミナなのかを考える必要があります。

  • 心拍数が上がりづらくなるスタミナ
  • 多くの球数が投げられるスタミナ

考えるとわかりますが、投手に必要なスタミナは後者です。

野球選手に必要な体力要素とは

では、投げるスタミナはどうやってトレーニングすればいいのでしょうか?

それは、

実際にボールを投げること

です。走るときに必要なスタミナは走ることでつきますが、球数を多く投げるスタミナは、ボールを投げなければつきません。

打者も同じ考え方で、より多くのバットスイングをするために必要なスタミナは、バットを振ることでしかつけられません。この場合も走り込みではありません。

つまり、ここまでの話で野球選手にとって走り込みの必要性はそこまで見出せないわけです。

実際に指導する走り込みの内容

ただ、実際に現場では走り込みをすることもあります。

僕が実際に走り込みの“ような”ことを指導するときは、

  1. 練習をこなせるスタミナの養成
  2. 3~6歩でトップスピードにのる
  3. 下半身のトレーニング
  4. 踵で地面を押す

などの目的意識を持ってもらい、その中で走り込みを行っているんですね。

こういう目的が明確であれば選手も進んでやってくれますし、実際目的通りの成果を実感することができます。

この具体的なやり方については、後程お伝えしますね。

目的のない走り込みは不要

ここまでお伝えした通り、

目的のない走り込みは一切不要

です。

そこから得られるものは多少精神的な強化になったとしても、野球に活きる何かが得られることはあまりありません。

もし得るものがあったとしてもそれはたまたまで、意図したものではないはず。

何度もお伝えしていますが、トレーナーという立場から考えると、基本的には一般的に行われる走り込みは不要ですね。

 

野球選手におすすめしたい走り込み方法①:練習をこなせるスタミナの養成

では、野球選手のプラスになる走り込みとは、どのような方法があるのでしょうか?

今回は、先ほどもお伝えした通り以下の4つをご紹介します。

  1. 練習をこなせるスタミナの養成
  2. 3~6歩でトップスピードにのる
  3. 下半身のトレーニング
  4. 踵で地面を押す

今回は“走り込み”というテーマでお伝えしているので、あえて“走り込み”と表現します。

目的意識をしっかり持った中で実践すると得るものが多いので、詳しく解説しますね。

持久力トレーニング

野球選手が必要な体力要素の1つに、持久力があります。技術の向上には数をこなす必要があり、数をこなすためにはある程度心肺持久力が高いことが重要です。

そのために、持久走やインターバル走などを実施することがあります。こういう心肺持久力を高めるための走り込みは、練習量をこなすためには必須ですね。

持久力については、以下の記事で詳しく解説しています。

また、野球選手はコンディショニングを理解することも重要なので、合わせて「コンディショニングとは?意味や効果などをトレーナーが解説」も参考にどうぞ。

 

野球選手におすすめしたい走り込み方法②:3~6歩でトップスピードにのる

2つ目の方法は、数歩でトップスピードにのるという目的で走り込みを行っていく方法です。

盗塁や塁間をより速く走るためには、3~6歩ぐらいでトップスピードに乗りたいところ。

より速くトップスピードに乗るために、30mダッシュなどを繰り返すことがあります。

やり方としては、

  • リードをするような姿勢で構える
  • スタートを切り、最初の3~6歩目はつま先で地面を押す
  • 6歩目以降は惰性で流し、リラックスして走る

こういったイメージでダッシュを繰り返します。そうすると、トップスピードにいち早く乗れ、野球の走塁に生きるんですね。

これを身につけるために、ある程度数をこなして走り込むということはあります。

 

野球選手におすすめしたい走り込み方法③:下半身のトレーニング

3つ目の方法は、下半身のトレーニングとして走り込みを行う方法です。

走り方によって下半身の筋力を強化することができますが、具体的には以下のような走り方を行います

  • 地面を真下に踏み込むように、16~20歩ぐらい全力で走る
  • ゆっくりとしたペースで20分間ぐらい走る

どちらのケースも下半身の筋力が強化でき、筋肉をつけることができます。

ウエイトトレーニングができない場合は、こういった目的で走り込めば筋力トレーニングとして活用できます。

もしウエイトトレーニングなどで下半身を鍛えたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

 

野球選手におすすめしたい走り込み方法④:踵で地面を押す

4つ目の方法は、最初の1歩目の踏み出し方を工夫していきます。

バッターもピッチャーも、下半身で全体の約60%のエネルギーを蓄えますが、その溜めたエネルギーを体重移動と共に前方に移動させます。

このとき踵で地面を押すように体重移動ができると、うまく下半身で蓄えたエネルギーを活用できるため、この踵で押す感覚をショートダッシュでトレーニングします。

やり方はシンプルで、まず踝の真下の位置を理解しておきます。

ランナーになったようなイメージで構え、自分のタイミングで踵で地面を押すようスタートを切ります。

この走り込みのポイントは1歩目だけなので、5m程度のショートダッシュでOK。これを何百本と繰り返し、踵で地面を押す感覚を掴みます。

そうすると、下半身をうまく使うことができるため、このために走り込むというのも1つの方法ですね。

こういった方法の後に「野球の打ち方やバッティングフォームを習得する4ステップ」でお伝えした体の使い方をすれば、バッティングも変わるはずです。

このように、ここまでお伝えした、

  1. 練習をこなせるスタミナの養成
  2. 3~6歩でトップスピードにのる
  3. 下半身のトレーニング
  4. 踵で地面を押す

こういった走り込み方法は、目的を持って行うことで適切な成果を得ることができます。

ですので、目的のない走り込みは不要ですが、上記のような走り込みであれば意味のある方法と言えますね。

 

勘違いされやすい走り込みの効果やメリットについて

上記では走り込みの必要性などを解説しましたが、以下のことも知ってほしいことです。

コントロールが悪い=走り込み不足ではない

よくコントロールが悪い投手については、

走り込みが足りてないからこれだけコントロールが悪いんですよ。

なんて言われますが、コントロールが定まらない原因はさまざまです。ですので、走り込みをすればいいという単純なことではありません。

投げ方に問題がなければコントロールもそこまで乱れることはなく、走り込みよりも体の使い方の改善が優先されるべきです。

投げ方などについては「ピッチャーの基本的な投げ方を3ステップで解説」や「肩・肘が痛くならない投げ方を習得する3つのステップ」で解説しており、この投げ方ができるとコントロールは良くなるはずです。

下半身が不安定=走り込みでは改善しない

例えばピッチャーが投球した後、前脚の膝が割れバランスを崩してしまう選手がいるとします。

こういうバランスを崩す選手にも走り込みが足りないと言うことがありますが、これは着地のときの問題があるはずです。

おそらく「バッティングで身体が開く原因とたった1つの改善方法」でお伝えするまっすぐステップを繰り返せば、膝は割れず自然な身体の使い方ができます。

つまり、膝が割れてしまったり下半身が不安定になるときは、走り込みが不足しているということとは別の原因があり、その原因を取り除けば問題は解決するということですね。

ここまでお伝えしたように、1つ1つのことを冷静に分析していくと、走り込みの必要性は見えてくると思います。

今回は、野球選手が行う走り込みの必要性について解説しました。

今回の記事のまとめ

  • 走り込みをする前に、そもそも走り込みをする目的を整理することが重要
  • 持久力(スタミナ)をつけるための走り込みは必要
  • ただ、目的がない走り込みは不要
  • 走り込みをしてもコントロールは良くならない

今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

その他にもコンディショニングなどについて解説しているので、こちらの記事も参考にどうぞ。

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